オヤジ、スリを捕まえるの巻き3

スマホ

スリかよ?

「???」・・・えっ!

確か、後ろには誰も居なかったよな??右の視界に突然理解できない光景が飛び込んで来たので状況を理解できず、自分自身に問いかかけている。

うん。誰も居なかった。・・・ではあの手は何?あの男は誰?

確かに、あの女性のバッグの横にあるポケット(こういう女性物のバッグ等に疎い私にはこういう表現しか出来ません。<m(__)m>)から、何かピンク色のもの物を抜取ったような。いや、確かに盗った。

スリだ!!

あの男はスリだ!!

 そういう結論を出したが・・・・ひょっとして知り合いが悪戯しているのでは?
等と、恥ずかしながら頭の中がパニクってる。なんせこんな場面に遭遇したのは、50年以上生きてきて初めてだったので、冷静な判断ができない。どうしたらいいんだ???まいったな~~。

随分長く感じたが、ほんの一瞬自分が自分で無くなった気がした。

 やっぱり、スリだった。




その女性のバッグから抜取ったピンク色の何かを、その男は自分の手提げ袋に入れた。女性は全く気付いていない、相変わらずスマホに夢中だ。

このスリ、プロなのか?いくらバッグのポケットとはいえ、気付かれずにこんなに簡単に抜取れるものか?それとも、盗まれた事に気付かず相変わらずスマホをいじってるこの女は・・・
アホか・・・? うん、アホだろう間違いなく。
なぜ気付かん?、なぜスマホ?。こりゃあ~駄目だ病気だわ。

声に出して、この思いを伝えたかったが、それより先に「スリだ~~~」と叫んでいた。
生まれて初めて正義の雄たけび (多分・・・)

「スリだ~~~」あまり気持ちのいいものでもない、普段大声など出すことなどそうそう無い、50過ぎのオヤジにはキツイね。思ったほど大声にならないし声が小刻みに震えてる。
なんといっても、心臓の鼓動が早くなったのがはっきり分かった。

小生の「スリだ~~~」の叫び声を聞いたその男は、地下中央口へ続く階段へと急に走り出し逃げようとした。〝やっぱり何か盗ったんだ。だから慌てて逃げ出したんだ。”そう確信した
小生は、男までの距離およそ2mを一気にダッシュし、右手でその男の襟首を捕まえ、左手で振り向きざまに反撃してきた男の右手を抑え何とか動きを制止し引きずり戻した。その際、男の持ってた手提げ袋がホームに落ち、中のものが飛び出してきた。
〝あった、女性のバッグから抜き取ったピンク色の物が、こんな緊迫した中でも内心あって良かったと思うばかりだった。何も出てこなかったら、小生、この男に池袋のホームで土下座して謝る羽目になるところだった。変な言い方だけど・・・助かった。(*_*;
50過ぎのオヤジがホームで土下座はキツイ。それだけは勘弁!!
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See you・・・

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