何かが始まる
たしかあれは、昨年(2016年)の3月1日20時40分くらいだったかな?
いつも利用する西武池袋線池袋駅での出来事です。
ご存知の方も多いと思いますが、この池袋駅は、山手線を初めとするJR、そして西武、東武、地下鉄の東京メトロ等が乗り入れる都内でも有数の大きな駅です。
電車も多ければ、人も多い、朝夕の混雑時は想像を絶するような人混みです。
西武池袋線ホームにて
ちょうど、時間的に人が少ない時間なのかな、ホームにはあまり人が居ない。でもこのあと、終電近くなるとまた混むんだよな。千鳥足の人や、両脇抱えられて引きずられている人や、まるで酔っぱらいの品評会状態。かく言う俺も若い頃は、よく終電に駆け込んだ記憶がある。やっとの思いで駆け込んだはいいが、たまたま席が空いたので、20分位の時間だから座らなくてもいいのに、〝やった。ラッキー!!”なんて思い座ったばっかりにすっかり熟睡し、気が付けば終点で駅員さんに「お客さん、お客さん。終点ですよ、起きて下さい。」なんて言われるちょっとだけ迷惑な客の一人だったなぁ。今となっては懐かしい思い出か、この年になってからはもう出来ない、と言うよりしたくないけどね。そんな事を回想しながら、電車を待って居た。
時間はいつもより遅いが、待つ場所はいつもとほぼ同じ、始発だからまず座れるのは間違いない。あとは最寄り駅で降りる時、エスカレーターにすぐ乗れる、これこそベストポジションだ。そう、俺は今まさにそのベストポジションに陣取っている。意味もなく、何かに勝利したような優越感に浸っている。こんな日は、早く帰って風呂入って軽く一杯、いや、い~~~ぱいやる。あとは寝るだけの勝利の美酒はさぞや旨かろう。そう、思えば思う程電車が待ち遠しい。電車が入ってくる方向の左に目をやる・・・まだ来ない。その反動で何気なく右に目やる、2mm程離れた、同じ車両の隣のドアの整列乗車の線の中に、すらっと背の高い、若いであろう一人の女性 (もう少しは女性と呼ぼう)がスマホをいじっている。よくある光景で特別珍しくも無い。
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